読解編 / 中文
中文① 何もしない時間
400字ほどの評論。理由・言い換え・主張の3問。段落ごとの役割を意識する。
解き方のヒント
- 評論は「一般論 → 反論 → 主張」の順で進むことが多い。段落の切れ目に注目。
- 下線部の意味を問う問題は、その前後に答えのヒントがある。遠くを探さない。
- 「〜ではないだろうか」という結びは、筆者の主張を控えめに言った形。
本文 (オリジナル)
「時間を有効に使う」と言うとき、私たちはたいてい、より多くのことを短い時間で片づけることを思い浮かべる。効率よく仕事を終え、空いた時間でさらに別のことをする。現代人にとって、時間とは埋めるべき空白であり、無駄なく使い切るべき資源なのだ。
だが、本当にそれだけが「有効な使い方」なのだろうか。何もせずにぼんやりと空を眺める時間、遠回りをして季節の移り変わりに気づく時間。効率の物差しで測れば、それらはすべて「無駄」に分類される。しかし、そうした一見無駄に見える時間の中でこそ、人は自分の内側と向き合い、思いがけない考えにたどり着くことがある。
時間を効率で埋め尽くすことは、かえって心の余白を奪うのかもしれない。詰め込むことばかりを急ぐ私たちに、いま必要なのは、あえて何もしない時間を持つ勇気ではないだろうか。
設問
3問 — 正しいものを選ぼう
問1筆者が、一見無駄に見える時間を大切だと考えるのはなぜか。
正解:そうした時間にこそ、自分と向き合い、思いがけない考えにたどり着けるから。 — 第2段落の最後に理由がある。「無駄に見える時間の中でこそ、人は自分の内側と向き合い、思いがけない考えにたどり着く」。2・4は第1段落の効率的な考え方で、筆者が問い直している立場のほう。
問2「心の余白を奪う」とは、どういうことか。
正解:時間を効率で埋め尽くし、心のゆとりを失うこと。 — 直前の「時間を効率で埋め尽くすことは、かえって」を受けている。すきまなく予定を詰めることで、心のゆとり(余白)が失われる、という意味。
問3この文章で、筆者が最も言いたいことはどれか。
正解:効率だけを追わず、あえて何もしない時間を持つことも大切だ。 — 最後の一文「あえて何もしない時間を持つ勇気ではないだろうか」が主張。効率一辺倒を問い直している。1は筆者が問い直す対象、2は本文と逆、4は「仕事の量」の話までは述べていない。