文法編 / 第4章 強調・限定 / クエスト 4
〜あっての
「〜があるからこそ成り立つ」。感謝や戒めの気持ちを込める言い方。
導入
場面:閉店の時間、店長がお客さんに頭を下げながら
お客様あっての商売ですから、感謝の気持ちを忘れません。
意味
〜があるからこそ(成り立つ) 「それが無くなれば成り立たない」という気持ちを込める。感謝や自分への戒めの響きがある。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 名詞 + あっての + 名詞 | お客様あっての商売/ファンあってのアイドル |
⚠️ 後ろも必ず名詞。「あっての」の前の名詞が無くなれば、後ろの名詞は成り立たない、という関係を表す。
例文
- 家族の支えあっての私だと、いつも思っている。 日常の場面
- 毎日の練習あっての優勝だと、彼は涙ながらに語った。 人の様子
- 社員あっての会社だと、社長はあいさつで強調した。 ニュース・ビジネス
使い分け — 「〜があるからこそ」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜あっての | 〜が無ければ成り立たない | 名詞+あっての+名詞の形だけ。感謝・戒めの響き |
| 〜のおかげで | 単なる感謝 | 「無ければ成り立たない」という響きはない |
| 〜てこそ | 〜して初めて価値がある | 動詞(て形)につく |
| 〜なくして(は)…ない | 〜が無ければ…できない | 同じ発想を否定形で言う。後ろは否定の文 |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1ファン( )アイドルだから、いつも感謝の気持ちを忘れない。
正解:あっての — 「ファンがいるからこそアイドルは成り立つ」という意味。「とあって」は「〜という状況なので」、「ゆえに」は硬い理由の言い方で、どちらも「アイドル」という名詞に直接つなげられない。
Q2健康( )仕事だ。無理をしてはいけない。
正解:あっての — 「健康があるからこそ仕事ができる」という戒め。「なくしては」なら「健康なくしては仕事はできない」と後ろを否定にする必要がある。「ばこそ」は「〜ばこそ」の形で理由を強調する別の文法。
Q3「あっての」が使えない文はどれ?
正解:努力あっての成功した — 「あっての」の後ろは必ず名詞。「成功した」のような動詞の文は続けられない。