文法編 / 第4章 強調・限定 / クエスト 10
〜もさることながら
「Aももちろんだが、それ以上にBも」と重心を後ろに置く形。紹介文で出る。
導入
場面:人気レストランを紹介する雑誌の記事
この店は味もさることながら、見た目の美しさも評判だ。
意味
〜ももちろんだが(それ以上に…も) Aを認めた上で、「Bも同じくらい、いやそれ以上だ」と後ろに重心を置く。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 名詞 + もさることながら | 味もさることながら/実力もさることながら |
⚠️ 後ろには「も」を伴う文が来ることが多い。AもBも認めた上で、重心はBに置く。書き言葉・スピーチ・紹介文で出る。
例文
- この服は色もさることながら、着心地のよさが気に入っている。 日常の場面
- 彼女は歌の実力もさることながら、人を引きつける魅力がある。 人の様子
- この製品は性能もさることながら、価格の安さが支持されている。 ニュース・ビジネス
使い分け — 「AもBも」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜もさることながら | Aももちろん、それ以上にBも | 重心は後ろのBに置く |
| 〜はもとより | Aは当然の前提として | Aを当たり前として先に置く |
| 〜のみならず | Aだけでなく、Bも | 範囲の拡大を言う |
| 〜に加えて | Aに、さらにBも | 単なる追加。重心の差はない |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1この旅館は料理( )、温泉のすばらしさでも知られている。
正解:もさることながら — 「料理ももちろんだが、温泉も」という意味。「はおろか」はマイナスの文、「をおいて」は後ろに否定で、どちらも合わない。
Q2彼の作品は技術( )、込められた思いの深さに心を打たれる。
正解:もさることながら — 「技術ももちろんだが、思いの深さも」という意味。「たりとも」は数量の全否定、「といえども」は「たとえ〜でも」で、どちらも合わない。
Q3「もさることながら」が使えない文はどれ?
正解:この道具もさることながら、使ってはいけない — 「もさることながら」は「AもBも良い(すごい)」と二つを並べて評価する形。後ろに「使ってはいけない」のような禁止や否定は続かない。