文法編 / 第4章 強調・限定 / クエスト 7
〜にして
「〜のような人・段階だからこそ」と強調する形。年齢や回数の節目にも使う。
導入
場面:難しい試験に何度も挑戦した人の合格インタビュー
3度目にして、ようやく試験に合格できました。
意味
〜のような段階・人だからこそ(初めて)/〜でさえ 「その段階になって、やっと」「その人ほどの者でも」という気持ちで強調する。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 名詞 + にして | 60歳にして/名人にして/3度目にして |
⚠️ 「〜にして初めて」の形が頻出。年齢・回数の節目(60歳にして/3度目にして)にも使う。プラスにもマイナスにも使える。
例文
- この難しさは、専門家にして初めて分かるものだ。 日常の場面
- 祖母は80歳にして、大学で学び始めた。 人の様子
- あの天才科学者にして、この問題は解けなかった。 評論・ニュース
使い分け — 「〜だからこそ・〜でさえ」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜にして | その段階・人だからこそ | 節目や高い立場を強調。硬い |
| 〜でさえ | 〜も(意外なものまで) | 普通の言い方。会話でも使う |
| 〜だからこそ | ほかでもなく〜だから | 理由をはっきり示す |
| 〜すら | 〜さえ(極端な例) | 「〜も…ない」の否定が多い |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1その難問は、ベテランの医師( )初めて気づけたものだった。
正解:にして — 「ベテランの医師ほどの者になって初めて気づけた」という意味。「をおいて」は後ろに否定、「ならでは」は「〜だけの良さ」で、どちらも合わない。
Q2父は50歳( )、新しい仕事に挑戦した。
正解:にして — 「50歳という節目で」という意味。「たりとも」は「たった〜も…ない」の全否定、「はおろか」は「〜はもちろん…も」で、どちらも合わない。
Q3「にして」が使えない文はどれ?
正解:明日にして雨なら、試合は中止だ — 「にして」は節目や高い立場を強調する形。「明日雨なら」のような普通の条件の文には使えない。