文法編 / 第5章 否定 / クエスト 5
〜を余儀なくされる
「ほかに方法がなく、仕方なく〜することになる」と言う形。硬いニュースの文体。
導入
場面:大雪で交通が止まったことを伝えるニュース
大雪のため、多くの列車が運休を余儀なくされた。
意味
仕方なく〜することになる 自分の意志ではなく、状況のせいで、望まないことをせざるを得なくなる。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 名詞 + を余儀なくされる | 中止を余儀なくされる/変更を余儀なくされる |
⚠️ 「される」なので、外の事情に追い込まれる立場を表す。逆に、事情が人を追い込む側は「〜を余儀なくさせる」。ニュース・報告書の硬い文体。
例文
- けがのため、選手は引退を余儀なくされた。 日常の場面
- 母の病気で、彼女は退職を余儀なくされた。 人の様子
- 資金不足で、工事は中断を余儀なくされた。 ニュース・ビジネス
使い分け — 「仕方なくそうなる」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜を余儀なくされる | 事情で仕方なくそうなる | 名詞につく。硬いニュース文体 |
| 〜ざるを得ない | せざるを得ない | 動詞につく。会話でも使う |
| 〜ずにはすまない | しないでは済まされない | 義務・責任から見た当然 |
| 〜しかない | それしか方法がない | 普通の言い方。選択肢がない |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1台風の接近により、イベントは中止( )。
正解:を余儀なくされた — 「仕方なく中止することになった」という意味。「にはあたらない」は「するほどのことではない」、「をおいてない」は「〜のほかにない」で、どちらも合わない。
Q2経営の悪化で、多くの社員が転職( )。
正解:を余儀なくされた — 「仕方なく転職することになった」という意味。「てからというもの」は後ろに変化が続く言い方、「もさることながら」は「AもBも」で、どちらも合わない。
Q3「を余儀なくされる」が使えない文はどれ?
正解:楽しかったので、旅行の延長を余儀なくされた — 「を余儀なくされる」は望まないことを仕方なくさせられる形。「楽しかったので延長した」のような、自分が望んでする場面には使えない。