文法編 / 第5章 否定 / クエスト 1
〜べくもない
「〜できるはずもない」と強く言い切る形。硬い書き言葉。
導入
場面:ずっと会えていない故郷の家族を思うナレーション
遠く離れていては、家族の顔を見るべくもない。
意味
〜できるはずもない 「〜しようとしても、とてもできない」という強い不可能を表す。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 動詞(辞書形)+ べくもない | 知るべくもない/比べるべくもない/勝つべくもない |
⚠️ 「する」は「すべくもない」。「知る・望む・比べる・勝つ」など、限られた動詞とよく組む。とても硬い書き言葉。
例文
- こんな結果になるとは、予想するべくもなかった。 日常の場面
- 新人の私が、あのベテランに勝てるべくもない。 人の様子
- 真実は闇の中で、もはや知るべくもない。 評論・語り
使い分け — 「〜できない」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜べくもない | できるはずもない | 硬い書き言葉。強い不可能 |
| 〜ようがない | する方法がない | 手段がなくてできない。会話でも使う |
| 〜かねる | したくてもできない | 丁寧に断るときに使う |
| 〜まい | しないだろう/するまい | 打ち消しの推量・意志で別の意味 |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1証拠が何も残っていない今、真相を知る( )。
正解:べくもない — 「知ろうとしても知るはずもない」という強い不可能。「までもない」は「する必要もない」、「ものを」は「〜のに」で、どちらも合わない。
Q2まだ新人の彼が、社長の考えを理解できる( )。
正解:べくもない — 「理解できるはずもない」という意味。「てからというもの」は後ろに変化が続く言い方、「にすぎない」は「〜だけだ」で、どちらも合わない。
Q3「べくもない」が使えない文はどれ?
正解:時間があるので、手伝うべくもない — 「べくもない」は「できるはずもない」という不可能を表す。「時間があるので手伝う」のような、できる・する場面には使えない。