文法編 / 第2章 原因・理由・目的 / クエスト 10
〜んがため(に)
「〜しようという強い目的のために」。小説や評論で出る文語的な形。
導入
場面:スポーツ選手のドキュメンタリーのナレーション
彼らは勝たんがために、すべてを犠牲にしてきた。
意味
〜するという強い目的のために 目的を強く言う文語的な形。小説・評論・スピーチで出る。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 動詞(ない形の「ない」を取った形)+ んがため(に) | 勝たんがため/生きんがため |
| 「する」は特別な形になる | せんがため |
⚠️ 「ん」は否定ではない。「〜しよう」という意志の古い形。日常会話では使わず、小説・評論・スピーチで出る。
例文
- 家族を守らんがために、彼は危険な仕事を引き受けた。 人の様子
- 昔の人々は、生きんがために海を渡った。 小説・歴史
- 会社を再建せんがため、社長は自ら給料を減らした。 ニュース・ビジネス
使い分け — 「〜するために」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜んがため(に) | 強い意志の目的。文語的 | 動詞の形が変わる(勝つ→勝たんがため)。日常会話では使わない |
| 〜ために | 目的の普通の言い方 | 会話でも文章でも使える |
| 〜べく | 硬い書き言葉の目的 | 同じく硬いが、形の変化がない(辞書形につく) |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1夢を実現せ( )、彼は故郷を離れた。
正解:んがため — 「実現せんがため」で「実現するという強い目的のために」。「べく」は辞書形につく(実現すべく)ので形が合わない。「んばかり」は「今にも〜しそうな様子」で、目的の意味ではない。
Q2選手たちは勝た( )に、苦しい練習に耐えてきた。
正解:んがため — 「勝とうという強い目的のために耐えてきた」。「ん」は否定ではなく「〜しよう」という意志の古い形。「ゆえ」は理由、「そばから」は繰り返しで、「勝た」という形にも接続できない。
Q3「んがため」が使えない文はどれ?
正解:コンビニに行かんがために、財布を取ってくるね — 「んがため」は文語的でとても硬い形。コンビニの話のような日常会話には合わない。小説・評論・スピーチのような硬い文で使う。