文法編 / 第3章 逆接・譲歩 / クエスト 10
〜ならいざしらず
「〜なら話は別だが、実際は違う」と前置きして、非難や驚きにつなげる。
導入
場面:入社5年目の後輩が、また同じミスをした
新人ならいざしらず、5年目の君がこんなミスをするなんて。
意味
〜なら話は別だが(実際は違うのだから、当然〜だ) 「それなら仕方ない」と思える例を出して、「でも実際は違うのだから」と続ける。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 名詞 + ならいざしらず/はいざしらず | 新人ならいざしらず/昔はいざしらず |
⚠️ 前には「それなら仕方ない」と思える極端な例が来る。後ろには「あなたは/今は違うのだから」という非難や驚きが続く。
例文
- 子どもならいざしらず、大人が電車の中で騒ぐのはおかしい。 日常の場面
- 昔はいざしらず、今の彼はすっかり穏やかになった。 人の様子
- 小さな会社ならいざしらず、大企業がこんなミスをするとは驚きだ。 ニュース・ビジネス
使い分け — 「〜なら別だが」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜ならいざしらず | 〜なら別だが、実際は違う | 後ろに非難・驚きが来る |
| 〜はともかく | 〜のことは今は考えない | 比べずに横に置くだけ |
| 〜ではあるまいし | 〜ではないのだから | 理由を挙げてたしなめる |
| 〜どころか | 〜どころか、実際はもっと上(下)だ | 程度の逆転で、別物 |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1専門家( )、素人の私に分かるはずがない。
正解:ならいざしらず — 「専門家なら別だが、素人には無理だ」という意味。「と相まって」は「〜と合わさって」、「を限りに」は「〜を最後に」で、合わない。
Q2学生時代( )、社会人になってまで親にお金を借りるのはどうかと思う。
正解:はいざしらず — 「学生のころなら別だが、今は違う」という意味。「が早いか」は「するとすぐ」、「てこのかた」は「〜して以来ずっと」で、合わない。
Q3「ならいざしらず」が使えない文はどれ?
正解:初めて来た人ならいざしらず、常連のあなたが道に迷うのは当然だ — 「ならいざしらず」の後ろには「実際は違うのだから」という非難や驚きが来る。「迷うのは当然だ」では前の例と話がつながらない。