文法編 / 第2章 原因・理由・目的 / クエスト 4
〜こととて
「〜なので、どうか許してほしい」と言い訳する古風な表現。手紙やあいさつ文に残る。
導入
場面:引っ越しのあいさつの手紙
慣れぬ土地のこととて、何かとご迷惑をおかけすることと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。
意味
〜なので(どうか許してほしい) 〜だから仕方がない、と謝罪や言い訳の理由をていねいに伝える。古風な書き言葉。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 名詞+の+ こととて | 休日のこととて/子どものこととて |
| 動詞(普通形)+ こととて | 慣れぬこととて/知らぬこととて |
⚠️ 謝罪や言い訳の改まった場面専用。「慣れぬこととて」のように、古い否定形「〜ぬ」と一緒に使うことが多い。古風な表現で、今は手紙やあいさつ文に残る。
例文
- 初めての仕事のこととて、失礼があったらお許しください。 職場のあいさつ
- 子どものしたこととて、どうかお許しください。 親の謝罪・人の様子
- 急な引っ越しのこととて、ごあいさつが遅れましたことをおわび申し上げます。 手紙・あいさつ文
使い分け — 「理由」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜こととて | 〜なので許してほしい。古風 | 謝罪・言い訳の改まった場面専用 |
| 〜ため | 中立な理由・原因 | 謝罪にも説明にも使える、ふつうの書き言葉 |
| 〜ゆえに | 硬い書き言葉の理由 | 硬いが謝罪に限らない。論文などにも使う |
| 〜とはいえ | 〜だけれども | 理由ではなく逆接。形が似ていても別物 |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1慣れぬ( )、行き届かない点もあるかと思いますが、お許しください。
正解:こととて — 「慣れていないので許してほしい」という言い訳の理由。「が早いか」は「するとすぐ」、「そばから」は「してもすぐ元に戻る」で、どちらも理由を表さない。
Q2子どものした( )、どうかお許しください。
正解:こととて — 「子どもがしたことなので許してほしい」という親の謝罪。「を皮切りに」は「〜を最初に次々と」、「かたわら」は「〜する一方で」で、意味が合わない。
Q3「こととて」が使えない文はどれ?
正解:休みの日のこととて、遊びに行こう — 「こととて」は謝罪や言い訳の理由に使う。「〜しよう」という誘いの文には使えない。