文法編 / 第2章 原因・理由・目的 / クエスト 1
〜ゆえに
「〜だから」を硬く言う書き言葉。論文・評論・格言で出る。
導入
場面:小説の中の、主人公の生い立ちの説明
貧しさゆえに、彼は進学をあきらめた。
意味
〜だから、〜という理由で 理由を硬く言う書き言葉。論文・評論・格言で使う。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 名詞(+の/である)+ ゆえ(に) | 貧しさゆえに/女性であるゆえに |
| 普通形+(が)ゆえに | 経験が浅いがゆえに/知らなかったがゆえに |
⚠️ 日常会話ではほぼ使わない。名詞に直接付く形が一番よく出る(貧しさゆえに)。「ゆえの+名詞」の形もある(若さゆえの過ち)。
例文
- 彼は正直であるゆえに、損をすることも多い。 人の性格
- これも若さゆえの過ちだと、大目に見てほしい。 「ゆえの+名詞」の形
- 資源が乏しいがゆえに、この国は技術で勝負してきた。 評論・論文
使い分け — 「〜だから」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜ゆえに | 硬い書き言葉。論文・評論・格言 | 日常会話ではほぼ使わない |
| 〜ため | 普通の言い方。中立 | 会話でも文章でも使える |
| 〜ばこそ | まさに〜だから(理由の強調) | プラスの積極的な理由に使う |
| 〜とあって | 特別な状況なので、当然こうなった | 特別な場面に限る。ニュースの文体 |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1貧しさ( )、彼は盗みを働いてしまった。
正解:ゆえに — 名詞「貧しさ」に直接付いて理由を表すのは「ゆえに」。「を皮切りに」は「〜を最初として次々に」、「そばから」は「してもすぐ元に戻る」で意味が合わない。
Q2有名である( )、彼女は自由に町を歩けない。
正解:がゆえに — 「有名だから歩けない」という理由の文。「が早いか」は「するとすぐ」、「を限りに」は「〜を最後にやめる」で、どちらも意味が合わない。
Q3「ゆえに」の使い方として合わないものはどれ?
正解:友達との会話で「眠いゆえに帰るね」と言う — 「ゆえに」は硬い書き言葉。友達との日常会話で使うと不自然になる。論文・評論・格言で使う。