文法編 / 第2章 原因・理由・目的 / クエスト 9
〜べく
「〜するために」を硬く言う書き言葉。ニュースや報告書でよく出る。
導入
場面:新聞のスポーツ面の記事
その選手はオリンピックに出場するべく、毎日厳しい練習を続けている。
意味
〜するために 目的を硬く言う書き言葉。その目的のために行動する、という文が続く。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 動詞(辞書形)+ べく | 勝つべく/調べるべく/間に合わせるべく |
| 「する」は両方の形が使える | すべく/するべく |
⚠️ 前後の主語は同じ人。後ろに依頼・命令の文は作れない。形が似ている「〜べからず(〜してはいけない)」「〜べし(〜すべきだ)」と混同しないこと。
例文
- 終電に間に合わせるべく、駅まで走った。 日常の場面
- 彼女は夢をかなえるべく、朝から晩まで努力している。 人の様子
- 当社は海外市場に進出すべく、準備を進めている。 ニュース・ビジネス
使い分け — 「〜するために」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜べく | 硬い書き言葉の目的 | 前後の主語は同じ人。後ろに依頼・命令は置けない |
| 〜ために | 目的の普通の言い方 | 会話でも文章でも使える |
| 〜んがため | もっと強い意志。文語的 | 動詞の形が変わる(勝つ→勝たんがため) |
| 〜ように | 無意志の目的 | 「見えるように」など意志のない動詞につく |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1真実を確かめる( )、記者は現地へ飛んだ。
正解:べく — 「確かめるために飛んだ」という目的。「そばから」は「してもしても、すぐ」という繰り返し、「を限りに」は名詞につく形で、どちらも合わない。
Q2新店舗を成功させる( )、社員全員が力を合わせた。
正解:べく — 「成功させるために力を合わせた」という目的。「こととて」は理由(言い訳)、「と相まって」は名詞について「〜と一緒になって」という意味で、どちらも合わない。
Q3「べく」が使えない文はどれ?
正解:会議に間に合うべく、早く来てください — 「べく」の後ろに「〜してください」のような依頼・命令の文は作れない。自分(同じ主語)の行動が続く文だけ。