文法編 / 第4章 強調・限定 / クエスト 8
〜はおろか
「〜はもちろん、…も(ない)」と二つ並べて言う形。あきれ・驚きの響きがある。
導入
場面:病気で、体がすっかり弱ってしまった人の様子
退院したばかりで、歩くことはおろか、立つこともできない。
意味
〜はもちろん、…も(当然…だ) 軽い方の例を「はおろか」で挙げ、「それどころか、もっと基本的な…も」と続ける。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 名詞 + はおろか | 漢字はおろか/外国はおろか/貯金はおろか |
⚠️ 後ろに「も・さえ・すら」+否定が来ることが多い。マイナスの文脈で使い、驚き・あきれの気持ちがこもる。
例文
- その子は漢字はおろか、ひらがなも書けなかった。 日常の場面
- 忙しくて、旅行はおろか、週末の休みさえ取れない。 人の様子
- その会社は、海外はおろか、国内でもほとんど知られていない。 ニュース・ビジネス
使い分け — 「AはもちろんBも」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜はおろか | 〜はもちろん、…も(ない) | マイナスの文。あきれ・驚き |
| 〜はもとより | 〜は当然として | プラスの文にも使える |
| 〜どころか | 〜ではなく、むしろ | 予想との大きな差を言う |
| 〜はもちろん | 〜は言うまでもなく | 普通の言い方。中立 |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1けがをして、走ること( )、歩くことも難しい。
正解:はおろか — 「走ることはもちろん、歩くことも難しい」というマイナスの文。「ならでは」は「〜だけの良さ」、「にして」は「〜だからこそ」で、どちらも合わない。
Q2その店は売上が減り、利益( )、給料を払うお金もない。
正解:はおろか — 「利益はもちろん、給料を払うお金もない」というマイナスの文。「をおいて」は「〜のほかに…ない」、「であれ」は「たとえ〜でも」で、どちらも合わない。
Q3「はおろか」が使えない文はどれ?
正解:努力のおかげで、合格はおろか首席も取れた — 「はおろか」はマイナスの文(できない・ない)で使う。「首席も取れた」のような良い結果には使えない。