文法編 / 第5章 否定 / クエスト 10
〜どころではない
「したいけれど、とてもそんな状況じゃない」という強い否定。
導入
場面:仕事が山ほど残っていて、旅行の話をされた人
来週までに資料を仕上げないといけないので、旅行どころではない。
意味
とても〜できる状況ではない(それどころじゃない) したい気持ちはあっても、忙しさやトラブルで、まったく余裕がないことを表す。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 動詞(辞書形)+ どころではない | 勉強するどころではない/休むどころではない |
| 名詞 + どころではない | 旅行どころではない/食事どころではない |
⚠️ 「したいけれど、状況が許さない」という強い否定。忙しさやトラブルなどで、まったく余裕がない場面で使う。
例文
- 子供が熱を出して、今日は買い物どころではない。 日常の場面
- 財布をなくして、食事を楽しむどころではなかった。 人の様子
- 災害の直後で、会社は営業するどころではなかった。 ニュース・ビジネス
使い分け — 「どころ」を使う形の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜どころではない | とても〜できる状況ではない | 余裕がないことを強く言う |
| 〜どころか | 〜ではなく、むしろ逆 | 予想と逆・程度の差。意味が別 |
| 〜ものではない | 〜してはいけない | 一般的な禁止・忠告 |
| 〜べきではない | 〜しない方がいい | したらいけないと判断する |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1締め切りが近くて、のんびりテレビを見る( )。
正解:どころではない — 「とてもテレビを見る余裕がない」という意味。「ものではない」は「見てはいけない」という禁止、「ではあるまいし」は「〜でもないのだから」で、どちらも合わない。
Q2台風で電車が止まり、出勤( )。
正解:どころではなかった — 「とても出勤できる状況ではなかった」という意味。「にはあたらない」は「大げさに反応しなくていい」、「ないまでも」は「〜とまではいかなくても」で、どちらも合わない。
Q3「どころではない」が使えない文はどれ?
正解:彼は親切どころではなく、いつも優しい — 「どころではない」は「とても〜できる状況ではない」という否定。「彼はいつも優しい」のような文には合わない。この場合は「〜どころか、いつも優しい」を使う。