文法編 / 第4章 強調・限定 / クエスト 9
〜たりとも
「たった〜も、絶対に…ない」と全部を否定する形。最小の「1」に付ける。
導入
場面:試験中、監督の先生が受験生に注意する
試験中は、1分たりとも気を抜いてはいけません。
意味
たとえ〜でも(絶対に…ない) 最小の単位「1」に付けて、「ゼロも許さない」という強い全否定を表す。
接続
| 付き方 | 例 |
|---|---|
| 「1」の数量詞 + たりとも…ない | 1分たりとも/1円たりとも/一滴たりとも |
⚠️ 必ず後ろに否定が来る。「1」の数量に付けて「少しも…ない」と言う。慣用形「何人たりとも(=どんな人でも)」もよく出る。
例文
- 大切なお金だから、1円たりとも無駄にはできない。 日常の場面
- 彼は約束を守る人で、1分たりとも遅刻しない。 人の様子
- 安全のため、一瞬たりとも油断は許されない。 ニュース・ビジネス
使い分け — 「少しも…ない」の仲間たち
| ニュアンス | ここが違う | |
|---|---|---|
| 〜たりとも | たった〜も…ない | 「1」の数量に付ける全否定 |
| 〜も…ない | 〜も…ない | 普通の言い方。強さは弱い |
| 〜すら | 〜さえ…ない | 数量以外の名詞にも広くつく |
| 〜だに | 〜するだけでも | 決まった動詞とだけ組む |
ミニ問題
3問 — 正しいものを選ぼう
Q1この水は貴重だから、一滴( )無駄にできない。
正解:たりとも — 「一滴も無駄にできない」という全否定。「ならでは」は「〜だけの良さ」、「にして」は「〜だからこそ」で、どちらも合わない。
Q2プロとして、練習を1日( )休むわけにはいかない。
正解:たりとも — 「1日も休めない」という全否定。「はおろか」は「〜はもちろん…も」、「であれ」は「たとえ〜でも」で、どちらも数量の否定には合わない。
Q3「たりとも」が使えない文はどれ?
正解:10分たりとも休んだら気持ちがいい — 「たりとも」は「1」の数量に付けて後ろを否定する形。「10分」のように1以外の数や、肯定文には使えない。